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Mayaのノードと設定

つなぎ方編 / Arnold・aiStandardSurface を使う初心者向け

「何を、どこへつなぐ?」を

図で確かめながら進めよう。

画像の読み方を選び、正しい出口から、正しい入口へ。
まずはベースカラー・ラフネス・ノーマルの3つが目標です。

最初は、この3つだけ覚える

1

色の画像は sRGB、数の画像は Raw

数の画像(粗さ・凹凸などのデータ)は、色の画像と分けます。

2

色は Out Color、白黒は1つの数

白黒は基本 Out Color R。Out Alphaは必要なときだけ(p.5)。

3

凹凸には「変換する箱」をはさむ

バンプは bump2d、ノーマルは aiNormalMap が目印です。

最初の操作 操作 p.11 → レシピ p.6〜9 → 完成図 p.10
見返すとき しくみ p.2〜5 / 困ったとき p.13 / 早見表 p.14

しくみ(p.2〜5)は飛ばして、操作(p.11)から始めてOK。

図は説明用の模式図です。Mayaの実画面や配線色とは異なります。
UVとマテリアルの割り当てが済んだモデルを想定しています。

01 しくみ

ノードは「仕事をする箱」

まずは、色の画像をつなぐ2つの箱から見てみましょう。

画像を読む → 見た目を決める

fileColor Space: sRGBOut ColoraiStandardSurfaceマテリアルBase Color出口入口fileColor Space: sRGBOut ColoraiStandardSurfaceマテリアルBase Color出口入口

1 画像を読む箱

file は画像を読み、色や数を出します。画像を変えるときは、この箱を選びます。

2 見た目を決める箱

aiStandardSurface は色・ツヤ・凹凸を受け取り、表面の見た目を決めます。

凹凸のときだけ、間に「変換する箱」が入る

file → aiNormalMap / bump2d → aiStandardSurface
画像の数を「面の向き」に変換します。色やラフネスには不要です。

つなぐ数も確かめる

Out Color は R・G・B の3つ。Out Color R / Out Alpha は1つ。
Normal Camera には、変換済みの「向き」を入れます。
RGBの色とXYZの向きは、数が3つでも意味が違います。

確認資料 [4] [6] → p.16

02 画像の読み方

Color Spaceは「数の読み方」

見た目がカラフルでも、色のための画像とは限りません。

色を見せる画像

sRGB

Base Color / Albedo / Diffuse

木・布・肌などの色。一般的なPNG・JPGなら、まず sRGB を確認します。

数を入れた画像

Raw

Roughness / Metalness / Height / Normal

粗さ・金属度・高さ・向き。ノーマルの青紫も「向きの数」です。

Rawが必要な理由

白黒のデータで「半分の値」を表したいとき、色用の変換をかけると、
その値が小さくなってしまいます。Rawなら色変換をかけずに読みます。

8bit画像の値 128Raw:約 0.50sRGBの明るさ変換後:約 0.228bit画像の値 128Raw:約 0.50sRGBの明るさ変換後:約 0.22

確認資料 [1] → p.16

03 共通の設定

fileノードで確認するのは3か所

画像ごとに設定します。1つのfileを直しても、ほかのfileは変わりません。

file / Attribute EditorFile AttributesImage Nameroughness.pngColor SpaceRawIgnore Color Space File Rules✓Color BalanceAlpha Is Luminance
設定箇所を示す模式図です。項目の位置や表示名は環境により変わります。
① 画像の読み方
データは Raw。
ふつうの色画像は sRGB。
② 手動の設定を保つ
ルールを再適用しても、
このfileを変更させない設定。
③ 方法Bのときだけオン
図は方法Aなのでオフ(p.5)。
file / Attribute EditorFile AttributesImage Nameroughness.pngColor SpaceRawIgnore Color Space File Rules✓Color BalanceAlpha Is Luminance設定箇所を示す模式図です。項目の位置や表示名は環境により変わります。① 画像の読み方データは Raw。ふつうの色画像は sRGB。② 手動の設定を保つルールを再適用しても、このfileを変更させない設定。③ 方法Bのときだけオン図は方法Aなのでオフ(p.5)。
1

fileを選び、Ctrl + A

アトリビュートエディタを開きます。表示中のタブ名が file1 などか確認。

2

Color Spaceを選ぶ

Raw または sRGB を選び、手動で変えたら Ignore…Rules も確認。

確認資料 [1] [2] [3] → p.16

04 白黒の出口

白黒は「1つの数」を取り出す

RoughnessやMetalnessには、RGBをまとめて入れる必要はありません。

基本は方法A Out Color Rを使う

fileColor Space: RawOut Color RaiStandardSurfaceマテリアルSpecular Roughness出口入口fileColor Space: RawOut Color RaiStandardSurfaceマテリアルSpecular Roughness出口入口

赤・緑・青が同じ値の白黒画像なら、Rだけで足ります。
この方法では Alpha Is Luminance は不要です。

方法B bump2d・自動接続のときだけ

file の Color BalanceAlpha Is Luminance:オン
画像の明るさを
Out Alphaへ出す
file の Color BalanceAlpha Is Luminance:オン画像の明るさをOut Alphaへ出す

基本はA(Out Color R)。B(Out Alpha)は bump2d と、
Maya が自動でつないだときだけ
使います。
Bで白黒の明るさを出すときは、Alpha Is Luminanceをオンに。
Out Alphaは、スイッチなしでは白黒の値と同じとは限りません。

確認資料 [3] → p.16

RECIPE 01 色

ベースカラーをつなぐ

色の画像を、マテリアルの Base Color へ入れます。

Color Space:sRGB出口:Out Color
fileColor Space: sRGBOut ColoraiStandardSurfaceマテリアルBase Color出口入口fileColor Space: sRGBOut ColoraiStandardSurfaceマテリアルBase Color出口入口
1

色の画像を読み込む

file の Image Name から、Base Color / Albedo / Diffuse の画像を選びます。

2

Color Spaceを確認する

一般的なPNG・JPGの色画像なら sRGB
(2026 以降は sRGB Encoded Rec.709 (sRGB))。
配布元の指定があれば、それに合わせます。

3

Out Color → Base Color

fileの右側の出口から、マテリアルの左側の入口へつなぎます。

確認資料 [1] [4] → p.16

RECIPE 02 ツヤ・金属

ラフネスとメタルネスをつなぐ

どちらも白黒のデータ。Rawで読み、1つの数を入れます。

Color Space:Rawこの図は Out Color R を使用
fileColor Space: RawOut Color RaiStandardSurfaceマテリアルSpecular Roughness出口入口fileColor Space: RawOut Color RaiStandardSurfaceマテリアルSpecular Roughness出口入口

ラフネス = 反射の粗さ

黒 0:ツルツル(鏡のよう)白 1:ザラザラ(つやなし)黒 0:ツルツル(鏡のよう)白 1:ザラザラ(つやなし)

ラフネスは「明るさ」ではなく、反射のぼけ方を決める数です。

1

ラフネス画像をRawで読む

Out Color R → Specular Roughness。自動でOut Alphaにつながったら p.5 を確認。

2

メタルネス用の画像を、別のfileで読む

Metalness画像を読み、Rawに設定。Out Color R → Metalness。
黒は非金属、白は金属の領域です。

確認資料 [1] [3] → p.16

RECIPE 03 白黒の凹凸

バンプはbump2dをはさむ

白黒の高さを「面の向き」に変えてから、マテリアルへ送ります。

画像:Height / BumpColor Space:Raw
fileColor Space: RawOut Alphabump2dUse As: BumpBump ValueOut NormalaiStandardSurfaceマテリアルNormal CamerafileColor Space: RawOut Alphabump2dUse As: BumpBump ValueOut NormalaiStandardSurfaceマテリアルNormal Camera
1

fileの白黒設定をそろえる

Color Space:Raw。Out Alphaを使うので、Alpha Is Luminance:オン。

2

2本の線をつなぐ

Out Alpha → bump2d の Bump Value。
bump2d の Out Normal → マテリアルの Normal Camera。

3

Use Asと強さを確認する

Use As:Bump。凹凸の強さは Bump Depth で調整します。
例:Bump Depth 0.1〜0.3から。画像やモデルに合わせて調整します。

確認資料 [1] [3] [5] → p.16

RECIPE 04 青紫の凹凸

ノーマルはaiNormalMapをはさむ

青紫のふつうのノーマルマップ(タンジェント空間)を扱います。

Color Space:Raw出口:Out Color
fileColor Space: RawOut ColoraiNormalMap向きに変換InputOut ValueaiStandardSurfaceマテリアルNormal CamerafileColor Space: RawOut ColoraiNormalMap向きに変換InputOut ValueaiStandardSurfaceマテリアルNormal Camera
1

ノーマル画像をRawで読む

青紫に見えてもデータの画像です。Alpha Is Luminance は不要です。

2

RGBをまとめてInputへ

file の Out Color → aiNormalMap の Input。
R・G・Bの3つを使うので、Out AlphaやRだけにはしません。

3

Out Value → Normal Camera

aiNormalMapの出力を、マテリアルの Normal Camera へつなぎます。

確認資料 [1] [6] → p.16

完成図 まずは3枚で

3種類の画像を、1つのマテリアルへ

fileを用途ごとに用意し、それぞれの読み方と接続先を確かめます。

file:色sRGBOut Colorfile:ラフネスRawOut Color Rfile:ノーマルRawOut ColoraiStandardSurface見た目を決める箱Base ColorSpecular RoughnessNormal CameraaiNormalMap向きに変換InputOut ValueRGB(3つ)白黒(1つ)変換後の向きfile:色sRGBOut Colorfile:ラフネスRawOut Color Rfile:ノーマルRawOut ColoraiStandardSurface見た目を決める箱Base ColorSpecular RoughnessNormal CameraaiNormalMap向きに変換InputOut ValueRGB(3つ)白黒(1つ)変換後の向き

完成図で見る3つのポイント

図を見やすくするため、place2dTexture・shading groupなどは省略しています。

確認資料 [1] [3] [6] → p.16

操作ガイド

Hypershadeで実際につなぐ

先に必要な箱を作り、最後に出口と入口を1本ずつ結びます。

1

Hypershadeを開く

Windows → Rendering Editors → Hypershade。

2

必要なノードを作る

作業エリアで Tab。名前を入力し、
候補を選びます。Create一覧から
作ることもできます。

Tab → 名前を入力file |file← 候補を選択Tab → 名前を入力file |file← 候補を選択
3

fileで画像を選び、設定する

fileを選択 → Ctrl + A。Image Name・Color Spaceを確認(p.4)。
マテリアルの欄の右端にある市松模様のボタン → Fileでも作れます。

4

右の出口の丸 → 左の入口の丸

丸から左ボタン、または中ボタンでドラッグします。

fileColor Space: sRGBOut ColoraiStandardSurfaceマテリアルBase Color出口入口fileColor Space: sRGBOut ColoraiStandardSurfaceマテリアルBase Color出口入口

右の丸=出口(ここから)

左の丸=入口(ここへ)

5

入口や出口がなければ展開する

ノードを選び、作業エリア上で 3 キー → 全項目を表示。
Out Color R は、Out Colorを展開して探します。

6

不要な線を外し、表示を確認

Windowsでは線を選択 → Backspace。
割り当て・UV・照明を確認し、Arnoldで結果を確かめます。

確認資料 [4] → p.16

もう一歩 必要なときだけ

bump2dのノーマルと、パック画像

基本の4レシピができてから読めば大丈夫です。

A ノーマルをbump2dで受ける場合

Mayaのボタンから作ると、ノーマル画像でも
Out Alpha → Bump Value という線が作られることがあります。

file:Raw

bump2d:Use As = Tangent Space Normals

Out Normal → マテリアルの Normal Camera

この接続では、Use Asによって画像のRGBをノーマルとして扱います。
白黒バンプ用の Bump のままにしないことが大切です。
Arnoldで新しく組むなら、p.9 の aiNormalMap の図から始めましょう。

B 1枚に複数のデータが入っている場合

チャンネルパックは、R・G・Bに別々の白黒データを入れた画像です。
Rawで読み、それぞれのチャンネルを分けて使います。

RAO などGRoughness などBMetalness などRAO などGRoughness などBMetalness など

確認資料 [1] [3] [5] [6] [7] → p.16

困ったとき

見た目がおかしいときの確認順

1つずつ確かめると、原因を見つけやすくなります。

01

画像が出ない

fileの画像パス → マテリアルの割り当て → UV → 表示モードを確認。

02

ラフネスがテカテカになる

p.7

Rawか確認。Out AlphaならAlpha Is Luminanceを確認。Glossiness画像との取り違えにも注意。

03

白黒の模様が効かない

p.5

基本はOut Color R。bump2dや自動接続でOut Alphaを使うときは、Alpha Is Luminanceをオンに。

04

ノーマルの光の当たり方が変

p.9

Raw・Out Color・aiNormalMapを確認。暗さの原因は、照明や面の向きにもあります。

05

凹凸が逆に見える

p.9

Rawと配線を確認。ノーマルのY方向の違いならInvert Y。白黒バンプとは分けて考えます。

06

設定したColor Spaceが変わる

p.4

Ignore Color Space File Rulesを確認。ルールの再適用による変更を防ぎます。

07

線がつながらない・欄がない

p.11

ノードを展開し、出口と入口を確認。数の個数だけでなく、色・高さ・向きの意味も確認します。

作業中の早見表

迷ったら、この1ページ

矢印の左が出口、右が入口です。英語の項目名を目印にしてください。

色

sRGB

Out Color → Base Color

(2026 以降は sRGB Encoded Rec.709 (sRGB))

ラフネス

Raw

Out Color R → Specular Roughness

メタルネス

Raw

Out Color R → Metalness

白黒バンプ

Raw

Out Alpha → bump2d.Bump Value
bump2d.Out Normal → Normal Camera

ノーマル

Raw

Out Color → aiNormalMap.Input
aiNormalMap.Out Value → Normal Camera

最後のチェック

Out Color Rは、R=G=Bの白黒画像の場合。ノーマル画像はRGB全体を使います。

ことば集

分からないことばを、ここで確認

操作の名前は英語のまま覚えると、Mayaの画面で探しやすくなります。

Arnold
Mayaで使えるレンダラー。光を計算して画像を作る。
aiStandardSurface
Arnoldで使う、色・ツヤ・凹凸などを決めるマテリアル。
ノード
画像を読む・変換するなど、1つの仕事をする箱。
アトリビュート
ノードの設定項目。Base ColorやColor Spaceなど。
ポート(入口・出口)
ノードのつなぎ口。出力から入力へ、値を渡す。
マテリアル
表面の色・ツヤ・凹凸など、見た目を決めるもの。
Color Space
画像の数を、どの色の決まりで読むかという設定。
sRGB / Raw
sRGBは一般的な色画像の読み方。Rawは色変換せず数を読む設定。
OCIO
OpenColorIO。色の読み方や、表示の変換を管理する仕組み。
チャンネル
R・G・B・Alphaなど、画像の中の各成分。
Alpha(アルファ)
画像の透明度などに使う成分。白黒の明るさとは別。
Luminance
明るさ。Alpha Is Luminanceは明るさをアルファ出力に使う設定。
AO
Ambient Occlusion。隙間や接触部分の暗さを表すデータ。
法線(面の向き)
面の向きのこと。ノーマルマップはこの向きを変えて凹凸を見せる。
Normal Camera
マテリアルの面の向きを受け取る入口。カメラの接続口ではない。
UV
3Dモデル上のどこに画像のどの部分を貼るかを決める座標。
Hypershade
マテリアルやノードを作り、線でつなぐための画面。
参考・適用範囲

公式ヘルプを確認したいとき

確認日:2026年10月30日 / 項目名をクリックすると公式ページを開けます。

[1] 画像に合うColor Spaceを選ぶ

Autodesk Maya Help / 入力色空間の指定

[2] Color Spaceの自動ルール

Autodesk Maya Help / ルールと再適用

[3] Alpha Is Luminance

Autodesk Maya Tech Docs / texture2d

[4] Hypershadeで作成・接続する

Autodesk Maya Help / Create and connect nodes

[5] bump2dの入力と出力

Autodesk Maya Tech Docs / bump2d

[6] ArnoldのNormal Map

Autodesk Arnold User Guide / Input・Invert Y

[7] bump2dをノーマルに切り替える

Autodesk Maya Help / Tangent Space Normals

元資料「Mayaのノードと設定(つなぎ方編)」を、初心者向けに再構成。
ノードの項目名と接続は Maya 2025・2026・2027 で確認済み(2026年10月30日、標準の色設定)。